こんにちは、ライターのぽんたです。
毎日食べているお肉。私は、あまりお腹が強くないので、がっつり食べることができません。しかも節約のことを考えてしまうので、安い鶏のむね肉や、ぶたこま肉などをついつい選んでしまいます。なので牛肉と聞くと、「高い」「特別なときに食べるもの」というイメージがあります。
そんな牛肉ですが「国産牛」や「和牛」などと、パッケージに書かれて販売されていることが多いですよね。この「国産牛」と「和牛」には何か違いがあるのでしょうか?
今回は、和牛と国産牛の違いについて詳しく調べてみました。さらにアメリカ牛とオーストラリア牛についても調べ、和牛と比較してみました。
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目次
和牛と国産牛の違い
和牛は品種による定義、国産牛は原産地による定義となっています。
◆和牛とは?
日本の在来種に外国種を交配させて生み出された品種です。種類は「黒毛和種(くろげわしゅ)」、「※褐毛和種(あかげわしゅ)」、「無角和種(むかくわしゅ)」、「日本短角種(にほんたんかくしゅ)」と4種類あります。(※「褐色和種」と、言われることもあります。)
かつては農耕用の役用が多かったのですが、第二次世界大戦後は、もっぱら肉用として改良が進められました。
・黒毛和種
〈特徴〉
代表的な和牛で、毛色は褐色がかった黒です。霜降り肉の代表としても有名で、和牛の90%以上を占めます。日本だけでなく、世界的にも評価の高い品種です。
主な銘柄牛…神戸ビーフ、松阪牛、近江牛、米沢牛
・褐毛和種
〈特徴〉
毛色が赤褐色のため、通称「あかうし」と呼ばれています。黒毛和種に対して霜降りの度合いが比較的少なめで、赤身が多いのが特徴です。
主な銘柄牛…土佐牛、肥後牛
・無角和種
〈特徴〉
文字通り角がなく、毛色は黒毛和種よりもさらに黒い品種。和牛全体の1%以下で、黒毛和種と比べるとキメが粗い特徴がありますが、早く成長する牛です。
主な銘柄牛…信州牛、山口県特産無角和牛
・日本短角種
〈特徴〉
主に東北や北海道地方などの寒い地域で飼育されています。毛色は濃い赤褐色で、放牧に適した品種です。和牛の中では一番新しい品種になります。
主な銘柄牛…八甲田牛、十和田牛、いわて短角和牛
また、これら「4品種間の交配による交雑種」、さらに「その交雑種と4品種間の交配による交雑種」なおかつ、「国内で出生し、国内で飼養された牛であること」も和牛の定義として法規上、定められています。
◆国産牛とは?
以前は、日本で3ヶ月以上育てられた場合、国産牛になる決まりでした。しかし、生鮮食品品質表示基準の「畜産物の原産地表示」の改正に伴い、国産牛の定義は原産地、つまり「日本国内での飼育期間が他の地域よりも長い牛」へと変更になりました。
また広義において、和牛も国産牛の分類に入ります。和牛以外にも、「乳用種(ホルスタイン種、ジャージー種など)」「交雑種(和牛、ヘレフォード種などの肉専用種と、乳用種を交配した牛)」や、日本にいる外国種も国産牛に入ります。
品表示の場合、和牛の場合は「国産和牛」「国産+品種名」、乳用種は「国産牛」「国産乳用種牛」などあります。輸入食肉の場合は、その国名を〇〇産などで表示する決まりごとがあります。
ちなみに、品種の記載は義務ではなく、任意になります。つまり、表示において主に注目されるのは、国産牛なのか、輸入牛なのか、ということになりますね。
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ブランド和牛の紹介
ブランド牛の中でも耳にする「日本三大和牛」について、次のような決まりがあるようです。
「日本の代表的な銘柄牛あるいは銘柄牛肉のこと。松阪牛・神戸ビーフと、近江牛または米沢牛の三つをいうことが多い。日本三大牛。」
引用元:デジタル大辞泉
基本的にはっきりとした決まりはないようですが、今回はこちらの「松阪牛」、「神戸牛(神戸ビーフ)」、「近江牛」を取り上げたいと思います。
◆松阪牛(まつさかうし・まつさかぎゅう)
兵庫県産の黒毛和種である但馬牛や、全国から買い入れた黒毛和種の子牛を、三重県松阪市で育てた牛のことをいいます。「未経産(子牛を産んでいない牛)の雌牛であること」「松阪牛生産区域で育てられたもの」「松阪牛個体識別管理システムに登録されていること」という条件を満たす牛だけが、松阪牛と呼ばれます。
味は、深みのある香り、甘くて上品などの特徴があります。良質な脂肪なので、溶けてまろやかな食感を口の中に残します。
◆神戸牛(こうべぎゅう・こうべうし)
神戸ビーフともいいます。兵庫県産但馬牛に認定された牛のうち、さらに「未経産(子牛を産んでいない)牛・去勢牛」であり、脂肪を含む割合や、枝肉重量が一定量あるなどの条件を満たしたものが、神戸牛となります。松阪牛と比べると、食感がしゃぶしゃぶに向いている、という声もあるようです。
アメリカの元プロバスケットボール選手、コービー・ブライアント選手の名前にも使われるほど、海外でも有名な牛です。
◆近江牛(おうみぎゅう)
約400年の歴史があり、日本最古のブランド和牛です。江戸時代には将軍に献上されていました。滋賀県内で長く飼養された黒毛和種で、条件として一定以上の枝肉格付条件を満たしていることなどがあります。あっさりとした中に深い味わいがあるのが特徴です
和牛とアメリカ牛とオーストラリア牛の比較
アメリカ牛、オーストラリア牛、和牛。これらにはどんな違いがあるのでしょうか?
◆和牛の特徴
外国の広々とした牧場とはまた違い、基本的に牛小屋で育てられます。資料には大麦、トウモロコシ、ふすまなどが使われます。霜降りや甘みのある味が特徴です。
こちらは、和牛の鉄板焼きの動画です。分厚いですが、脂肪が多いのでサクサク切れるのが印象的ですね。
【分厚い和牛A5フィレステーキの焼き方 TEPPANYAKI Hibachi】
◆アメリカ牛の特徴
代表的な品種は「アンガス種」「ヘレフォード種」などがあります。1年ほど放牧された後、フィードロットと呼ばれる肥育場で育てられます。飼料には、トウモロコシを中心にほぼ穀物が使われています。また、オーストラリア牛と違って臭みがないのが特徴です。
和牛と違い、赤身部分と脂肪部分が綺麗に分かれています。和牛では脂ののりや柔らかさを楽しめるのに対して、アメリカ牛は赤身のしっかりした歯ごたえが楽しめます。
◆オーストラリア牛の特徴
「オージー・ビーフ」の名前でも有名です。代表的な品種はアメリカ牛でも紹介した「アンガス種」「ヘレフォード種」の他に「マリーグレー種」「ブラーマン種」などがあります。
オーストラリア牛は、主に放牧で育つので、日本と比べたら飼養コストが低いといえるでしょう。アメリカ牛同様に赤身が多いですが、飼料に牧草が使われているため、臭みがあるのも特徴です。近年、日本などの輸出用向けに臭みがあまりでない穀物を飼料に使う傾向もあるようです。
◆安全性について
輸入牛は低価格が魅力的でもありますが、アメリカ牛は一時期BSEの問題などがありました。また、牛に薬品が投与されているなど、食の安全性を疑問視する声も多くあるのも事実です。
まとめ
①和牛と国産牛の違いについて紹介しました
・和牛とは品種のことをいい、「黒毛和種」、「褐毛和種」など4種類ある
・国産牛とは、「日本国内での飼育期間が他の地域よりも長い牛」のこと
②ブランド和牛の紹介について紹介しました
・主な日本三大和牛として「松阪牛」、「神戸牛」、「近江牛」などがある
③和牛とアメリカ牛とオーストラリア牛の比較について紹介しました
・和牛は霜降り肉が多く甘みがある
・アメリカ牛は穀物で飼養されており、赤身が多い
・オーストラリア牛は牧草で飼養されることが多く、「臭みが気になる」との声もある
和牛や国産牛など、名前が付けられている以上、ちゃんと区分があることが分かりました。
どの品種か、国産なのか、輸入産なのか、産地で肉を選ぶことも大切ですが、牛1頭が育つまでにどれだけの手間がかかっているのかということや、命をいただいているのだということを、もっと考えて食べたいものですね。
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