結婚10年目、主婦ライターの大海原えび美です。
最近夫が、開運グッズを集めだしました。「嫁は大当たりだったからいいんじゃないの!」と思いつつ…パワーストーンだの黄色い葉をつける植物だの、少ない小遣いで楽しそうに買ってくるので、半ば呆れながらも、まあいいか、と静観しています。先日、そのコレクションに「招き猫」が加わりました。
私は猫が大好きなので、叱られないと思い買ったそうです。「お店で右手をあげている猫と、左手をあげている猫がいたんだけどさ、一番顔が可愛いいやつにした!」と夫。ん…あげている手が右と左とある?これはきっと何かの意味があるはず…何の疑問も抱いていない夫をよそに、こっそり調べてみることにしました。
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目次
右手あげ・左手あげ・両手あげの意味は?
右手(猫でいうと右の前足)をあげている招き猫は、金運や幸運を招くとされています。
性別はオスだそうです。左手(左の前足)をあげているのは、人を招くとされています。千客万来や縁結びを願って飾られるもので、メス猫とのことでした。なぜこのような意味になったのか、正確な理由は分かっていないそうです。
また最近では両手をあげている招き猫も作られており、これはお客とお金を両方招くといわれています。とてもありがたい猫のように思えますが「欲張りすぎるとお手上げになる」と嫌われる場合もあるのだとか。商売では両手をあげることを「バンザイ」と呼び、破産や倒産の意味を示すことがあります。お店の開店記念などでお祝いに贈りたい場合は、両手あげの招き猫は避けたほうがよさそうですね。ちなみに性別は、不明とのこと。その招き猫を作った方のみぞ知る…ということでしょうか。
また、あげている手の高さにも意味があり、高くあげているほど、より遠くからの福を招いてくれるとされています。ホテルや宿泊施設にいる招き猫は、手を高くあげているものが多いそうですよ。逆に低い手の高さの招き猫は、近くの福を招いてくれるので、ご近所づきあいを大事にしたい飲食店などに置くとよさそうです。目的に応じて、上手に選びたいものですね。
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招き猫の由来
招き猫が作られるようになったのは、江戸時代と言われています。どこで生まれたのかは、色々な説があるそうです。
まず一つ目は、豪徳寺(東京都世田谷区)が発祥という説。江戸時代に豪徳寺の前を通りかかった井伊直孝は、寺の飼い猫が門前で手招きをするような仕草をしていたので、立ち寄って休憩をしました。そのときの豪徳寺は、荒れ果てた寺だったそうです。和尚がもてなし、説法していると雷雨になりました。直孝は雨に降られずにすんだうえに、ありがたい話が聞けたことを喜び、後日、豪徳寺を立て直すために多額の寄付をし、豪徳寺は盛り返したそうです。そしてこの猫が、招き猫になったと言われています。
【【涙・感動の話】 招き猫のはじまり 『涙あふれて』【感動する話】】
二つ目は、貧しい老婆の愛猫が招き猫になったという説。江戸時代中期、江戸浅草に住んでいた老婆は貧しさから、ついに可愛がっていた猫を手放してしまいます。するとその夜、老婆の夢枕にその猫が現われ「自分の姿を人形にして祀れば福が増し、徳が授かる」と伝えたのだそう。そこで老婆は夢に従って人形を作ったところ、大変評判となり、たくさん売れて裕福になったとのこと。この猫の人形は実際に残っており、現存する最古の招き猫とも言われているそうです。猫があげているのは右手。金運や幸運をしっかり招いているのが面白いですね。身近なお話としても楽しいものです。
三つめは、「猫地蔵」を祀ることで有名な自性院(東京都新宿区)が発祥だという説です。1477年 、江古田沼袋原の戦いで劣勢に立たされ、道に迷ってしまった武将・太田道灌。目の前に現れた黒猫が手招きをして自性院へ案内したそうです。そのおかげで命拾いし、後の戦いで勝利を収めまることになりました。道灌はその後、自性院に猫地蔵を奉納。道灌は江戸城を築いたほどの人物でもあるので、猫地蔵が後に招き猫になったとされたのでしょう。
これ以外にも伏見稲荷大社(京都市伏見区)、法林寺(京都市左京区)、西方寺(東京都豊島区)、金山寺(岡山県岡山市)、住吉大社(大阪市住吉区)、民間信仰説など様々な説があるそうです。日本各地に招き猫に由来する場所があるなんて、日本人がこの縁起物を長年に渡り、とても愛してきた証だといえるような気がします。
招き猫をどこに置く?
招き猫は、人がいるところを好むと言われているのだそう。玄関やリビングに置くと良いとされています。風水の考えでは、部屋や家に入ってくる気は全て玄関から入ってくるとされているので、迷ったときには玄関に置くのもいいかもしれません。
気を付けたいのは、人よりも高い位置に置くこと。さらに招き猫が玄関をいつも見ているような場所に置くことで、玄関の外を通りがかった幸運も呼び寄せてくれるといわれています。リビングや部屋に飾りたいという場合は、猫を扉のほうに向けて置くといいそうです。
いろいろ揃った招き猫たち
招き猫といえば、白い三毛猫が定番ですが、様々な色の猫が作られています。そして色によってご利益も様々。黒猫は「厄除」金は「金運」、ピンクは「良縁」とされている他、赤は「病除け」、青は「交通安全や学業向上」、緑は「合格」、オレンジは「仕事運」なのだそう。願いによって選べるのも楽しいですね。
また、日本で招き猫が最も多く生産されている愛知県・常滑市には、巨大な招き猫「とこにゃん」がいます。全身ではなく、顔と手のみですが、幅6.3m、高さ3.8m もあり、フォトスポットにもなっているようです。
海外でも招き猫は人気で、縁起物の好きな中国人は日本のお土産として購入することも多いのだとか。アメリカでもラッキー・キャット等と呼ばれて親しまれています。日本とは逆で、猫は手の甲を前に向け手招きをしています。これはアメリカの「おいでおいで」を示すジェスチャーに合わせたものだそう。瞳の色もブルーになっていたりするようです。小判には$マークをあしらっているというのも、なんだか微笑ましいですね。
まとめ
・右手をあげた招き猫は金運や幸運を招くとされています。
・左手をあげた招き猫は人を招くとされています。
・両手あげの招き猫はお金と人の両方を招く、とされています。しかし、バンザイをしている姿勢が、商売の世界では破産や倒産の意味を表すという説もあるので、贈り物にするときは注意が必要です。
・招き猫の発祥とされている場所は全国にあり、江戸時代から作られるようになったようです。
・招き猫の置き場所は、人が集まる場所がよいとされています。
・色々な種類の招き猫がいるので、お願いごとによって選んでみるのも楽しいです。
夫が買ってきた招き猫は、左手をあげた白い猫です。人を招いています。我が家では何の商売もしていないのに…。嬉しそうに部屋に置いているので、とりあえずはそっとしておきます。招き猫は願い事を考えて選んで、大切に飾りましょうね。いいことがたくさん、ありますように!
嬉しそうに部屋に置いているので、とりあえずはそっとしておきます。招き猫は願い事を考えて選んで、大切に飾りましょうね。いいことがたくさん、ありますように!
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