こんにちは、ライターの松子です。
日常生活を送っている中で、ふいに「これは面白いな」と思う場面に出会ったり、洒落の利いたうまいことを思いついたりすることはありませんか?
そんな時「これを何か形にしたい」と感じたら、あなたはどうするでしょうか。
この記事を読み始めているあなたは、それを川柳という方法で表現し、残しておきたいと思っているはずです。
ですが、川柳は身近なものだとは言えませんよね。
挑戦しようと思ってはみたものの、どこから手をつけていいのか分からない……なんてことも仕方ありません。
そこで、今回は川柳って何?ということから作り方まで、分かりやすくご紹介していこうと思います。
筆者の私も、川柳についてはとんと分からぬことばかり……。
ですから、この記事を執筆しながら、あなたと共に学んでいきたいと思います!
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目次
川柳のルールと俳句との違い
「川柳は馴染みがない……でも、俳句なら作ったことがある」という人は、案外いるのではないかと思います。
あなたも、「そういえば学校で、国語の授業の一環として俳句を作る授業があったな」なんて記憶はありませんか?
もし、作ったことがなくとも『俳句は5・7・5の計17文字で作る詩』という知識はあることでしょう。
俳句にこうした文字制限などのルールがあるように、川柳にもルールが存在します。
俳句と比較しながら、川柳の基本的なルールをご説明しますね。
◇文字数
川柳・俳句、共に5・7・5の計17文字で表現します。
◇季語
川柳は季語が不要、俳句は季語が必要です。
◇使う言葉
川柳は口語、俳句は文語を使います。
口語とは、いわゆる話し言葉のことで、文語は文章を書く時に使う言葉(書き言葉)のことです。
◇起源
川柳も俳句も、実は和歌が変化したものです。
和歌がどんなものかは、百人一首を思い浮かべると分かりやすいでしょう。
5・7・5・7・7の計31文字で作ります。
5・7・5の部分を上の句、7・7の部分を下の句と言います。
この上の句と下の句を、別々の人が詠むのが“連歌”です。
川柳は、下の句の7・7をテーマにして、上手に5・7・5の部分を詠むという遊び方が発展したものです。
俳句は、下の句がなくても完結する、上の句だけで楽しめるもののことです。
川柳の歴史については、この後にもっと詳しくご紹介していきますね。
続いては早速、川柳の作り方を学んでいきましょう!
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川柳の作り方のコツについて
それでは、まずは川柳の作り方をご紹介します。
◎川柳の作り方
◇テーマを決めよう
まずは、川柳のテーマを決めましょう。
このテーマは、どんなものでも構いません。
自分が見たものや聞いたことはもちろん、時事ネタをテーマにすることもいいでしょう。
この後にご紹介するコツを押さえるには、時事ネタがオススメです。
◇5・7・5に当てはめよう
テーマが決まったら、早速そのテーマについて、あなたが思うこと・感じたことを5・7・5に当てはめていきましょう。
川柳は口語(話し言葉)で作るもので、さらに季語は必要ではありません。
ひらめいた言葉は、とりあえずメモをしておくといいですね。
5・7・5に当てはまる言葉が見つけられない場合には、類語辞典などを開いてみるのもいいかもしれません。
辞典を購入しなくても、ネットで調べることもできますよ。
◇分かりやすい言葉を選ぼう
5・7・5に言葉を当てはめていく時には、できるだけ簡単で分かりやすい言葉を選ぶようにしましょう。
川柳は口語で作るものなので、あなたが普段使う言葉をそのまま使っていいのです。
基本の作り方を覚えたら、今度は「より面白い作品を作るにはどうしたらいい?」と思ってくるはずです。
続いて、川柳を作る時のコツをご紹介します。
◎川柳のコツ
川柳を作る時、これらを意識するようにするとGood!というコツをご紹介します。
うがみ・軽み・おかしみの3点を押さえられると、きっと良い作品を生み出せますよ。
◇うがみ
うがみとは『うがった物の見方をする』の“うがみ”です。
皮肉や風刺など、ちょっと斜に構えた視点を持つといいでしょう。
物事にはたくさんの面がありますから、あなた独自の捉え方を盛り込む、ということです。
◇軽み
盛り込みすぎた理屈っぽさはないように、軽やかさがある作品をイメージしましょう。
技巧を凝らしすぎず「ちょっとシンプルかな?」と思うほうが、軽やかな印象を与えられるでしょう。
◇おかしみ
“笑える”というより“ユーモアがある”というイメージの作品を目指しましょう。
ドッとした笑いではなく「なるほど、気が利いたことを言ってるなぁ」と感じられるようなものがいいですね。
こちらの動画では、川柳の作り方とそのコツを分かりやすく紹介しています。
【川柳作家 お鶴さんの川柳講座です。】
ぜひチェックしてみてくださいね。
川柳の歴史
先に、川柳の起源をご紹介しました。
川柳の始まりは“和歌”だというお話でしたよね。
この和歌がさらに進化したものが“連歌”です。
連歌は個人で完結するものではなく、人と遊びながら歌を作るもの。言葉遊びのような感じですね。
連歌は人気を集めて、多くの人に親しまれるようになりました。
その後、連歌がさらに進化していきます。
連歌にユーモアを盛り込む“俳諧連歌”です。
すると、連歌のルールに変化を加えて、さらに楽しめるようになっていきます。
下の句をテーマ(お題)にして、誰が一番うまい上の句を読めたか?という遊び“付け句”です。
この付け句で生まれた優秀な作品を“句集”にまとめることも出てきました。
この句集で人気があった『俳風柳多留』の点者は、柄井川柳。
“点者”とは、付け句の参加者の句を評価していき、優劣を決める役目のことです。
やがて付け句がさらに進化すると、今度は下の句がなくても意味が通じるものを、柄井川柳から名を取って“川柳”と呼ぶようになるのです。
まとめ
それでは最後に、ここまでにご紹介したことを振り返っていきましょう。
◎川柳のルールと俳句との違い
川柳と俳句のルールを、比較しながらご紹介しました。
◇文字数
川柳・俳句、共に5・7・5の計17文字。
◇季語
川柳は季語が不要、俳句は季語が必要。
◇使う言葉
川柳は口語、俳句は文語を使う。
◇起源
川柳・俳句は、どちらも“連歌”が起源。
川柳は下の句の7・7をテーマにして、上手に5・7・5の部分を詠む遊び方が発展したもの。
俳句は上の句だけで楽しむ詠み方が発展したもの。
◎川柳の作り方
◇テーマを決める
◇5・7・5に当てはめる
◇分かりやすい言葉を選ぶ
◎川柳のコツ
◇うがみ
物事を正面から見ず、変わった視点から捉えるようにする。
◇軽み
盛り込みすぎた理屈っぽさはないように、軽やかなイメージで。
◇おかしみ
“笑える”というより“ユーモアがある”というイメージで。
この3点を盛り込めるとGood!
◎川柳の歴史
和歌が次々と進化していき、川柳が生まれました。
“川柳”は、『俳風柳多留』という句集の点者・柄井川柳の名前から付けられました。
難しく感じていた“川柳”も、こうして紐解いていくと面白いものでしたね!
歴史から作り方、コツまでご紹介していきましたので、これらをしっかりと押さえておけば、まずは第一歩です。
次に必要なことは、どんどん作品を生み出していくことでしょう。
パッとしたひらめきも大事ですが、普段からネタになりそうなものを書き留めていくのもいいですね。
あなたが素敵な作品を生み出せますように!
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